Team YABAI

2005 JCFジャパン・シリーズ XC#1 (滋賀県箱館山)

場所
箱館山スキー場 滋賀県高島市今津町日置前
カテゴリ JCF公認シリーズ戦(J1 XC)
クラス スポーツ
選 手 燃焼系
スタート
9:40
費 用 レース参加費: 6,000円 / 種目
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燃焼系執筆

(プロローグ)

 拝啓。母上様、お元気ですか? 昨夜、柳井の空に明るく光る星を一つ見つけました。
 が、すぐに消えました。馬鹿にされたような気がして、この街が少し嫌いになりました。くじけませんよ。貧乏です。違った、男の子です。・・・・・・・・。いや、貧乏です(無念)。でも貧乏って、それほど悪いものではないようです。ご存知でしたか??貧乏って、エコロジーなんです。省エネルギーなんです。
 その事に気づいた時、私はまるで禅寺の坊主が悟りを開いたような感覚におちいりました。だって電気、水道、ガス代を節約すると資源を無駄遣いしない事になるんです。夕食のオカズを一品減らすのも考えようによっては省エネですよね。それからというもの、私の脳には「貧乏=エコロジー」「貧乏=省エネルギー」というソフトがインストールされました。今までは貧乏に後ろめたさを感じていましたが、これからは胸を張って貧乏をアピールしていきたいと思っています。先日も職場で、一ヶ月分の電気、水道、ガス代があまりにも安い事に同僚が驚いたので、親指を突きたて、宝塚の男役ばりの口調で「今日から私のことをミスターエコロジーと呼んでくれたまえ。」と言ってやりました。同僚は冷ややかな視線を送ってきましたが、スケバン刑事ばりの鉄仮面ではじき返してやりましたよ。鉄面皮って言葉はこういう時に使うんですかね??
 ちなみに、最近では潜熱回収型給湯器「エコジョー○」を「貧乏ジョーズ」と呼んでます。「エコキュー○」は「貧乏キュート」、「燃料電○」は「貧乏電池」です。聞いたこともなかった器具がとても身近に感じますよね。購買意欲をそそりますよね。メーカーも商品名を改めるとよいでしょう。それから新聞の記事で読んだのですが、どっかの国の総理大臣の家にその貧乏電池が導入されたそうです。なんだ、一国の主のくせに実は貧乏なんだなぁ。なんて、少し微笑ましく思いました。なんなら消費税あげちゃってもいいよ。困ってんだろ??なんてのは言い過ぎですかね??え??貧乏人は燃料電池なんて高価なもの買えないって??「間違いない!!」って言葉はいつごろ死語になるんですかねぇ??それではまた、お便りします。
 そこんとこ夜露死苦!!

(4月23日)
 そういえば誰かが言っていた。映画「着信アリ」より、自分の携帯電話の「着信なし」のほうが怖いと。ごもっともな話である。着信履歴と発信履歴のほとんどが家族であるオイラにはことさら身に沁みる話だ。そう考えるとメールとはいえ、着信があると心が躍るのは道理である。軽い練習に出掛けようと準備をしているとオイラの携帯電話が踊りだした(オイラの携帯電話は一年のうち360日はバイブなのさ)。送信者は黄身黄身(某自転車店若旦那)だ。本文を確認する。


 「箱館山は出る??」
もちろんエントリーしてある。そこで
 「ひそかに出ます」
と返信。またメールを受信
 「一応俺もいるから何かあったら・・・・」
なんだ、黄身黄身も行ってんだ。確かにレース会場にメカニックがいると助かる。少し安堵する。しかし思い直す。奴は喧嘩友達である。何か頼もうものなら、ニヤリと含み笑い。虫も殺さぬ顔で、すかさず貧乏ネタを道行く人々に披露するに違いない。「ちょっと、そこのお兄さん聞いてください。この男は貧乏なんです。哀れなんです。夏は頭にタオルを巻いて、Tシャツで練習してるんです。チーム仲間の家には彼専用の箸があるんです。」とでも言いかねない。しかもそのほとんどが事実に基づいているから、なおタチが悪い。恐るべし黄身黄身。触らぬ貧乏神に祟りはないのだ。絡みがありませんように、と祈りながらビビビの貧乏ちゃんは練習に出掛けた。

(4月24日)


 「自分がどれほどか知りたい。どこまでいけるか試したい。」
 そんな思いで昨年から参加したジャパンシリーズ。楽勝気分で乗り込んだ俺は見事に返り討ちにあった。真っ白に燃え尽きちまったぜ。真っ白な灰になっちまったぜぇ(力石)。そんな昨年の悪夢を払拭するため、アウトサイダーな俺は例によって単独で滋賀県箱館山に向かう。一人ぼっちはいつものことさ(苦笑)。セレブな俺は愛車プラドで高速道路を突き進む。国道を日本の動脈と例えるなら、高速道路はさしずめ骨格というところか??いやはや快適である。ぬるま湯で半身浴の気分だな〜〜。いい湯だな〜〜♪♪(ドリフ)
 箱館山に到着。時刻は午前5時。プラドにて仮眠。目が覚めるとすでに太陽が顔を覗かせていた。容赦ない日差しは今年も暑くなることを予感させる。今日も暑くなりそうだな。さっそく準備をしてゴンドラに乗り込む。ゴンドラから眺める琵琶湖は今年も綺麗だ。絶景だ。貧乏だ(意味なし)。今年は昨年のようなヘマはしない(レポート参照)。ちゃんと受領書持ってきてるぜ。受付のお姉さんは終始無愛想。ご機嫌ななめですか??貧乏人が嫌いですか??(被害妄想)
 試走開始。んん??なんだ??コースが違うぞ!!走り出してすぐに去年のコースと違うという事に気がつく。ま、まぁいいさぁ。どうにかなるさ。明日があるさぁ(ない)。少し戸惑ったが、コース自体はさほど難しくはない。どうにかなりそうだ。しかし新たな試練が燃焼系を襲う!!カチャン。あれ?チェ、チェーンが外れた。どういうことだ?昨日まではなんともなかったのに。そうか練習用から決戦用ホイールに交換したからだ。調整が必要だ。どうする??どうする燃焼系!!明日はどっちだっ!!ってレースは今日じゃないか!!って言ってる場合じゃない。黄身黄身!!あんたの出番だぜ。いでよ〜〜!!黄身黄身〜〜!!ってどこにいるんだよ??って誰に聞いてんだよ!!って誰に突っ込んでんだよ!!携帯電話を取り出す。メールを受信している。黄身黄身からだ。本文を確認。
 「何処におるねん、昨日は探したど。また国道か?」
この野郎〜〜、口のへらない奴だぜ。さっそく電話だ。け、圏外かよ。しかし場所によってはアンテナが立つ。とりあえずメールを送っておこう。
 「もう上です。スタート地点にいます。」
この思い、届け〜〜〜!!送信っ!!さぁ、後は待つだけだ。幸い召集まで30分ある。調整に時間はかからないだろう。
 5分経過。いらいら。
 10分経過。イライラ苛苛。
 20分経過。苛々依頼ライラ。
 30分経過。あ、あ、現れない。
 なんてこったい。選手が集まってきた。召集が始まったのだ。そして自分の番号が呼ばれる。行かねば。ふっ、思えば俺が黄身黄身を頼るなんておかしな話だぜ。ふっふっふ(ゴルゴ13を意識、俺の背後に立つな)。とにかく今回も乗り切ってみせるぜ。いざ出陣!!
 それにしてもすごい人数だ。まさに満員御礼である。レース終了後、受付に出向き、無愛想なお姉さんに向かって、嫌味たっぷりの口調で「こんだけ人が集まったんやから大入り袋ださなアカンちゃうの?」と言ってやろうか。お姉さんは困惑するだろうか?それとも「この程度では大入り袋なんて出せませんわ」と、すばやく切り返してくるだろうか?個人的妄想はどこまでも続く。15秒前。

<1周目>
 スタート!!心のBGMオープニングナンバーはモトリーク○ーの「キックスタートマイハー○」だ。激しいギターのディストーションサウンドにオイラのソウルはオーバードライブする(カタカナ多いがな)。気持ちよくスタートはしたが、最初のシングルトラックは例によって大渋滞である。イライラしながら順番を待つ。後ろを振り向くとさらに行列が出来ている。ラーメン屋の行列を連想してしまうのは不謹慎なのだろうか。と考えながら再び走り出す。さぁ、こっからが勝負だ。ペダルを〜〜〜踏む踏む踏むぅぅぅ!!
<2周目>
 やはり変速は微妙だ。フロントメカの変速は慎重に、腫れ物に触るように、お母さんが赤ちゃんに接するように、付き合い初めたばかりのカップルのように(アベックって死語?)、黄身黄身が新顔の客に接するように優しく扱う。でもたまに外れる(無念)。宝くじよりは外れる確立は低いな。と、考えるのは不謹慎なのだろうか。と、考えながら再び走り出す。俺ってポジティブ!!
<3周目>
 オイラの足、腹筋は臨界点を迎えようとしている。いやはや開店休業である。必要ならストライキも辞さない構えである。訴訟の準備もしてあるらしい。そんなオイラの横をリストラ予備軍(おっさん)が追い抜く。ぬうぅ、連邦軍のモビルスーツはバケモノか!!(赤い彗星)ここのコースはほとんどがセカンドトラックだ。もう少しラインの研究をしてれば楽に走れたのかもしれない。そうだ!!こんな時こそ燃料を補給するんだ。こんな時のために用意していたウイ○ーインエネルギーを取り出す。しかし、よく見るとそれはウ○ダーインコラーゲンだった。な、な、なんじゃこりゃああ!!(松田U作)こんな時に美肌になってどうすんだよ!!しかし背に腹は変えられない。とりあえず飲む。すると、おもむろに力が湧いてきた。なんだこれは!!これが、これがコラーゲンの力か!!湧き上がる力に金脈を当てたかのような喜びを感じる(アホ)。ゴールドラッシュだぁぁぁぁ!!(意味なし)


<最終周>
 心のBGMはハードロックが次々と流れてくる。が、なぜか「箱根八里の○次郎」も経由した(やだねったら、やだね♪)。今頃になって体がなじんできた。体とバイクが一つになっていく感じだ。せっかくノッテきたがもう最終周だ。力を絞りだして〜〜〜、ペダルを踏む踏む踏む踏む〜〜〜〜、回す回す回す回す〜〜〜〜、チェーンが外れる・・・・・・・・。ペダルを踏む踏む踏む踏む〜〜〜〜〜〜〜!!ゴール!!



 終わった。は、肺が苦しい。足が重たい。げ、幻覚が見える。コース脇に黄身黄身が見える。
 「燃焼系!!お疲れ!!」
 ほ、ほ、本物かよ・・・・・・・・・。失神。
 間に合わなくてすまないと詫びる黄身黄身に、苦しゅうないと答える。準備不足の自分が一番悪いのだ。怪我はなかったし、楽しめたので良かった。しかしっ!!この時は彼が朝食のバイキングに舌鼓を打っていた為に遅れたとは知らなかった。こんにゃろ〜〜〜〜!!
 そうこうしているとHRTの方々が到着された。ヒロシゲギャルズの一人が「昨日はどこに泊まったんですか?」と聞いてきた。すかさず黄身黄身が答える。「彼のホテルはプラド(車)なんだよ。」なんでおまえが答えてんだよっ!!妙に納得してうなずくヒロシゲギャルズ。納得すんなよっ!!この男はねぇ・・・・、と続けそうになるのを必死で押さえ込み、エキスパートのレースを観戦する。オッキーツネゴンあっくんが熱い走りを見せる。今年も彼らは絶好調のようだ。

(エピローグ)


 帰りはどうしようかと悩んだ結果、以前から行きたかった兵庫県西脇市に立ち寄ることにした。ここには「日本のへそ」と呼ばれる、いわゆる日本の中心がある。観光っていいねぇ。日本の中心に立ち、友人に電話する。「おまえには叫ぶ愛がないからさっさと帰って来い。」と言われ、目頭を熱くしながらその場を立ち去った(無念)。
 高速道路を降り、岩国市を通り過ぎようとするところで黄身黄身からのメールを受信した。
受信22:36「お疲れ様。もう着いた?まだ、岡山です。」
送信23:24「セレブなオイラは途中から高速に乗ったんで、そろそろ到着します。うぷぷ」
受信23:40「嘘つき。国道のロマンはどうした。今 福山です。」
送信23:56「到着しました。滋賀県〜柳井間は去年達成したから、もうロマンはないのさ。次は違う国道のロマンを探すのさ。わかるかな?わかんねぇだろうなぁ。ニヤリ。」
受信24:01「こ〜の貧乏っ!ホテルぷらどは今日も行く。」
送信24:09「うるへ〜〜!!警察に捕まって罰金貧乏になってしまえぇぇ!!」



(了)
燃焼系から黄身黄身へ)
 レース後のコーラ本当にありがとう。炭酸が骨髄まで染み渡りました。またレース観にきてくださいね。このレポートを読んだ後も、今までと変わらず自転車の整備してね。決してシングルギアにしないでね。心の友よ〜〜〜〜〜(ジャイアン口調)!!
 そこんとこ夜露死苦!!



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